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東京のオフィス街と不健康な都市Central Tokyo and the Unhealthy City

数日間、東京中心部のオフィス街を拠点に過ごしていますが、不健康な都市だなという印象を年々強く抱くようになってきました。不健康とは多義的ですが、簡潔に言えば過去10年ほど全く変わっていないという意味です。かつて日本の大都市である東京の役割は、世界中のどの都市よりも高速で変化し続けることにありました。極端に言えば、1年前と今の姿が全く異なるような世界で、それは1990年代までの東京が持っていた最大の魅力でした。

この性質は世界的都市であるニューヨークやロンドンとは異なり、幾度も都市自体がリセットされた歴史と無関係ではありません。直近の100年程度を見ても、1923年9月の関東大震災や1945年3月の東京大空襲で東京はリセットされており、一旦灰になった都市は数十年後に復興するという破壊と再生を繰り返してきました。

この定期的な強制リセットという東京が持つ性質は、ニューヨークやロンドンのような世界的都市にはないものであり、ゆえにリセットされる度に全く異なる都市に再生してきた実績があります。ですが、最後のリセットとなった1945年の東京大空襲以来、東京はリセットされないまま80年の歳月を超えており、既に超高齢化社会となった日本人同様に、都市自体が老朽化していまったように感じます。全ての速度が遅くなり、自分が世界に対してどこを彷徨っているのかも分からない都市のイメージ。

仮に人体に例えれば、摂取した食事は適切に代謝されなければ、ゴミとなって体内に残留し、その蓄積がやがて不調の原因へと繋がります。不調に陥って人体が行き詰まりを感じた場合、最適な方法はファスティングやデトックスなど様々ですが、都市も同じように代謝を活性化させる調整を行わなければなりません。つまり、東京は代謝が機能不全に陥っており、そこから見える不健康な性質が、都市を取り巻く人々にまで一括的に反映されているのが現在です。直感的に東京が不健康だと感じるのは、街にいる人々の顔に幸福がないことに集約されます。ギスギスした人間関係だけが跋扈して巨大な一つの構造体を形成しているようにさえ見えるのです。

かつての東京が持っていた世界有数の変化速度はもはや昔話となっており、90年代までの都市が持っていた新陳代謝の特性は完全に滞り、残留した過去の負債がゴミとなって随所の代謝に悪影響を与えています。この結果、もはや都市の不調の原因がどこにあるのか特定することが不可能となるほど炎症が広がっています。こうした都市の慢性炎症によって都市構造は随所で限界に達しており、そこから生まれてくる緊張感が人々に伝播し、人々の関係も年々劣悪な様相を呈しているのが現在の東京の姿です。私が何よりも驚くのは、東京に暮らしていた10年前から人が変わっていないことです。成長できない人々が都市のゴミとなって蠢いていると形容できるかもしれません。

この原因は一つではありませんが、健康の視点から眺めてみます。新しい店は続々と今も出店されていますが、東京都が他の先進国都市のような飲食店出店に関わる規制を設けていないため、数だけは世界一の過剰なレストラン数に達しています。特に不健康を象徴するコンビニエンスストア、ドラッグストア、居酒屋、ラーメン屋、ファストフード、スターバックスなど簡易な生活を実現する要素が随所に張り巡らされており、その数は街を歩いていても異常としか思えません。観光客は未だに原宿の有名ラーメン店に昼から行列を連ねていますが、こちらも10年前の光景から変わっていません。私はラーメンを全く食べませんが、2020年代中盤を越えようとする今、グルテンと粗悪な油と過剰な添加物で味を調整された料理に2000円も出すなど、センスがない証拠だと考えています。

第一に、東京は日本の大都市でありながら、あまりにも不健康な食事のオプションばかりが氾濫しています。滞在している友人のマンションの玄関でAirBnBに来ていたマレー系のムスリムの女性4人と会って話したのですが、東京中心部には彼女たちの食生活に最適なオプションがなく、大半のレストランは個別対応に応じてくれないため、キッチン付きの部屋を借りて食事は自分たちで調理していると語っていました。こうした悩みは外国人に限らず私も同じです。普段からグルテン・カゼイン・シュガーを摂取せず、また油の質・添加物・農薬・塩の種類など多方面に食の質を問題視する私にとっても、東京のレストランはあまりにも不親切で選択肢がありません。そもそも日本全体的に食の透明性が全くないため、その不透明な食材が全国から集まる東京の食事は信用できません。自分がオーダーした食事に何が使われているか分からず、閉ざされたキッチンの中で何が調味料として加えられているかも全く見えない。こうした不健全さは顧客への不親切であり、必然的に人間関係を悪化させる土壌となります。

そして大量の不親切なレストランの隙間を縫うようにコンビニなどが配置されている現状は、東京が先進国の中で最も遅れた都市を象徴するように見えます。つまり、東京は次の未来を提案できていないのです。ゆえに、そこを歩いている人々も10年前から変わっておらず、むしろ10年かけて健康状態の悪化が露骨に現れているように感じます。若い頃であれば、ある程度は食事が乱れても問題ないでしょうが、10年もその生活を続ければ必ず原因不調の諸問題に悩まされるのが現代のルールです。それほど私たちを取り巻く食環境は世界中で劣悪になっています。東京のような場合、自分の身は自分で守るしかなく、そのような自己防衛を意思決定する人が増えれば増えるほど、必然的にレストラン側の対応は良質になっていくものです。しかし、今東京で起きていることは真逆の動きです。人々は30年前の食生活のルールを未だに継続しているようにしか見えません。

しかし、30年前と比べると日本国内の人口動態は一変しており、日本やイタリアは高齢化社会特有の問題に直面して完全に衰退を迎えています。そうした中にあっても、健康の基本である食生活が全く変わらず、むしろ悪化し続けている姿を見ていると、食生活が都市の未来を反映する一つの指標に思えてなりません。そして無制限に飲食店を出店可能な東京の法規制の杜撰さを考慮すれば、個人の意志によってしか健康は実現できないことが自明となります。言い換えれば、こうした不健康の氾濫する世界最大の都市の中で生活をしながら、健康意識を形成して自分自身で身を守る選択を取る人々の登場こそが、次に東京が灰になった後を担う有力な存在になるだろうと考えます。それが首都直下型地震か、あるいは北朝鮮からのミサイルかは不明ですし、いつ起きるのか誰にも分かりませんが、実は次に灰になった後の東京の未来を作るための動きは密かに始まっているのです。

今回、私が東京を来訪したのはこれをいち早く体験するのが目的でした。それが、あるクリニックが先月末にリリースした世界初の方法を採用した超高深度全ゲノムシーケンス遺伝子検査です。これは2万を超えるSNPs変異をかなり深い深度で特定し、そこからタンパク質コード遺伝子全体、各種RNA遺伝子、ミトコンドリア遺伝子、そして代謝解析を徹底したベースに、複数の次世代シーケンサーを用いた全ゲノムシーケンスとバリアントを体系化するインフォマスマティクスと独自アルゴリズムを用いた解析を備えた検査で、まさに現在地球上に存在する最高の遺伝子検査です。この検査はありふれた遺伝子解析ではなく、自分にとって正しい食事やサプリメント、ルーツ、職業、最適な人間関係、住む場所、適切な頭痛薬、抗がん剤のマッチング、霊性とそれを高める方法や使命の発見、自分に向いている神社、インドの古典医療のアーユルヴェーダと最先端ゲノミクスが融合したアーユルゲノミクス、中国の陰陽五行説を駆使した解釈などの膨大な解析を踏まえて、たった一人のための完全ガイドブックをフルカラーで200ページ程度の本として提示する他に類を見ないサービスです。

まさに東洋医学と西洋医学の交差であり、かつての素晴らしい日本のものづくり精神とマニアックな日本人的性質を存分に踏まえた画期性を併せ持っています。こうした動きが現在の不健康な東京の中心部で生まれた兆しは、次の東京の破壊と再生を通じた日本の再生へと繋がる膨大な物語の序章となるでしょう。今は信じられないかもしれませんが、次に東京が灰になった後の日本は、別の意味で世界を再び席巻する可能性を孕んでいます。それは今までのような経済や産業ではなく、日本人にしかできない世界への貢献と言え、おそらく健康をキーワードとする大きな潮流として現れてくるだろうと考えます。その健康は従来の伝統的な日本食における食材や発酵などの知恵をベースとしながらも、むしろ日本人らしい最先端テクノロジーとの交差と融合をテーマとする攻殻機動隊的世界の提案になるかもしれません。

その可能性が実際に誰の目にも明らかとなるためには、少なくとも後40-50年は要するでしょうし、それまで日本は極限まで衰亡します。しかし、何度か述べているように、終わることは悪いことではない。むしろ、終わらさなければならないものは終わらなければなりません。つまり今起きている小さな萌芽は、今後半世紀程度をかけて育まれていく芽であり、新たな森が生まれるための最初の場所となります。そして現在、そうした次の場所の萌芽は先端のクリニックで起きており、そのクリニック内部では伝統医学と最先端テクノロジーの交差、霊性を高める量子医療、サウンドメディテーション、遺伝子検査からサイケデリック医療などの様々なテーマが飛び交っています。

かつての世界では、そうした次の世界づくりの礎を文化人の運営するサロンが担っていました。しかし現在、その役目は一部の先端クリニックに移行しており、理解ある医師が次の文化潮流を形成する動きの先頭を担っています。血液データで現在の自分の異常のサインやトラブルを検出し、代謝マップでその問題が起きている場所を特定し、根本原因とそれに関連する特性を突き止める遺伝子変異を総合的に考える。かつて点でしかできなかったことが、今や点と点を繋ぎ合わせて最適解が見えてくる時代になりました。この結果、従来の二元的方法論で問題を処理する態度は緩衝され、積極的肯定も否定もない真の中立が生まれ、その中立の中でたった一人のために向き合う新時代の方法が生まれています。これにより、一人ひとりによって異なる真の健康が実現される未来が始まっています。

21世紀最大の課題である「あなたにとっての健康」をいち早く理解することで、それをベースに自らが果たすべき使命がクリアになり、どのように使命を全うするための環境構築を行うかも理解できます。その結果、何よりも自分自身の遺伝子に従って徹底的に生きることが可能となり、より良い人生の定義もこれまでの抽象化された自己啓発とは異なる次元で成立することが予測されます。

世界に一人しかいないあなた自身の問題は、あなた自身で解決するしかないのです。