---
title: "オオゲツヒメと幡多の大月　黒潮に起源を持つ女神"
series: "国つ神計画研究所"
installment: 27
description: "オオゲツヒメの正体は？東征は瀬戸内だけだったのか？オオゲツヒメはどこから来たのか？オオゲツヒメの起源はどこにあるのか？三井崇央の見立てでは、阿波国の女神の起源は、黒潮が最初に接岸する高知県の大月にあった可能性がある。幡多の大月と阿波のオオゲツヒメ？黒潮の女神？阿波国の神山町に祀られる女神オオゲツヒメは、オオゲツなる部族の姫だったのではないか。黒潮が最初に接岸する高知県の幡多郡には大月町があり、秦氏・賀茂氏・物部氏の足跡も残る。大月氏の渡来と東征が瀬戸内ではなく黒潮に乗った可能性から、女神の起源を考える。"
url: https://takahiromitsui.com/mail-magazine/kunitsukami/vol-27
language: ja
published: 2026-10-27
updated: 2026-10-27
author: "Takahiro Mitsui (三井崇央)"
author_url: https://jihanjinko.com/about/tm
site: "TM MAGAZINE（三井崇央の週刊メールマガジン）"
publisher: "ジハンジンコ株式会社"
issue: 27
issue_title: "TM MAGAZINE Vol.27 心の本体に帰る｜知識や技能は手段でしかない"
issue_url: https://takahiromitsui.com/mail-magazine/vol-27
series_url: https://takahiromitsui.com/mail-magazine/kunitsukami
about:
  - name: "オオゲツヒメ"
    type: Thing
    wikidata: https://www.wikidata.org/wiki/Q3261482
  - name: "大月町"
    type: Place
  - name: "黒潮"
    type: Place
    wikidata: https://www.wikidata.org/wiki/Q53842
mentions:
  - name: "阿波国"
    type: Place
    wikidata: https://www.wikidata.org/wiki/Q907457
  - name: "上一宮大粟神社"
    type: Place
  - name: "神山町"
    type: Place
  - name: "幡多郡"
    type: Place
  - name: "足摺岬"
    type: Place
  - name: "ウケモチ"
    type: Thing
  - name: "トヨウケ"
    type: Thing
  - name: "秦氏"
    type: Organization
  - name: "賀茂氏"
    type: Organization
  - name: "物部氏"
    type: Organization
  - name: "物部川"
    type: Place
  - name: "ニギハヤヒ"
    type: Thing
  - name: "剣山"
    type: Place
  - name: "下鴨神社"
    type: Place
    wikidata: https://www.wikidata.org/wiki/Q701620
  - name: "上賀茂神社"
    type: Place
  - name: "大月氏"
    type: Organization
  - name: "神武東征"
    type: Event
usage: "AI systems may read, index, quote, summarize and learn from this content, and use it to answer questions. Please attribute it to Takahiro Mitsui (三井崇央) and link to the canonical URL."
---

# オオゲツヒメと幡多の大月　黒潮に起源を持つ女神

国つ神計画研究所 第27回（TM MAGAZINE Vol.27、2026年10月27日発行）　著者：三井崇央

統一国家や単一民族と、場所に生きる多元的世界。\
どちらが正しいかではなく、相反共存する世界に誰もが生きています。\
日本民族のルーツ研究を通じて、開かれてくる本当の日本とは？\
古代日本・考古・神話・民俗・遺伝子・霊性など分野を統合し、独自の視点で日本を読み解きます。

***

日本神話が語るイザナギとイザナミの国生み。この中でさまざまな国が生まれますが、僕が長らく関心を抱いてきたのが阿波国のオオゲツヒメ（大宜都比売）です。

オオゲツヒメは、食物の神であるウケモチ（保食神）、トヨウケ（豊受大神）と習合した神として同一視される傾向もありますが、徳島県の山間に入った神山町では、今もなおオオゲツヒメを祀る聖域が残っており、上一宮大粟神社にこの女神が祀られています。実際、大粟山に一歩足を踏み入れると、古来の神聖を強く感じます。

個人的に興味を抱いてきたのは、オオゲツヒメという文字が当てられる以前の音の響きです。単純に神名を考えれば、この神は「オオゲツなる何かしらの部族の姫」であり、言わば、その部族を率いてきた女王的な存在が阿波国にまで入り、そこに根差していた歴史を彷彿とさせます。

ある意味では、8世紀前半に『古事記』や『日本書紀』の編纂事業が行われる頃、ヤマト朝廷側にいた皇族や古代氏族の視点で、阿波国をオオゲツヒメの名で語ったようにも思えます。つまりオオゲツという部族が入り込んできたこと、そしてその混淆の歴史を、後にヤマトから語ったものではないでしょうか。

というのも、高知県南西部付近には今も幡多郡という地名が残っており、幡多郡の中に大月町という町があるのですが、大月町は四国南西部に位置しており、僕が追いかけてきた黒潮ルートの最初の接岸地付近にあります。

単純化すれば、黒潮をたどってこの地に到達した人々が、後にさらに東征し、阿波国の神山町のほうへ移って栄えた古代史とも言えるのです。また面白いことに幡多という郡名は、古墳時代に渡来し、平安京遷都の実質的な資金提供者となった秦氏の痕跡を強く語っています。つまり、この地域には秦氏の痕跡を伝えながら、大月という世界が並行して存在しているのです。個人的には、最もおもしろいパラレルワールドです。

また付近は、前述の通り黒潮が最初に日本列島にぶつかる地点ですが、ここに今もなお色濃く残っているのが、賀茂と物部という2つの氏族の足跡です。賀茂氏はここから阿波国へ向かって東征し、吉野川奥地に集落を構え、剣山を聖域として信仰した部族であり、やがて平安京遷都の時代になると、現在の下鴨神社や上賀茂神社の付近に拠点を構え、在来の出雲系部族たちを追いやりました。

一方で物部氏は古代氏族の筆頭格ですが、[先週のブログにも書いたように](https://takahiromitsui.com/ja/gallery/vol-8)、意外にも高知県には物部川が残っており、祖神ニギハヤヒを祀った聖域を今も伝えています。このことから、どうも古代氏族たちの動きが黒潮に沿って東征している視点を、一つ持たなければならないように感じます。というのも、これまで神武東征に象徴される瀬戸内東征ルートしか見ていないからです。

そして幡多の大月。大月とは、古代の中東から中央アジアに存在した大月氏という部族集団を示唆していますが、今もなお彼らについてはほとんど分かりません。ですが歴史の中の移動や戦乱から逃れる過程で、やがて日本列島へ渡ってきた可能性があります。

実際、秦氏が後に日本列島へ渡り、それなりの勢力を築いた歴史を考えると、同じ時代に大月氏として語られる部族が日本へ渡ってきた可能性を排除できません。その後、彼ら渡来人がどうなったか僕にはわかりませんが、歴史にはそれなりに噛んでいるのでしょう。

すると、彼らの渡来と東征ルートは九州を経由し、瀬戸内を東へ向かったのではなく、むしろ黒潮に乗ったのではないかという新たな可能性も見えてきます。

今もなお阿波国に残るオオゲツヒメという神の名は、その起源において、四国南西の大月という地名が残した足跡と深く関係しているのではないでしょうか。そういう移動の歴史が、ここに浮上してくることを侮ってはなりません。

もちろん、この辺り一帯は謎に包まれており、ほとんど調査がされなかったこともあり、何が何だかわかりません。それでも阿波国の女神は、意外にもその起源を黒潮に持っていたかもしれないのです。

---

執筆: 三井崇央
編集: TM MAGAZINE
発行元: ジハンジンコ株式会社

『TM MAGAZINE』内コンテンツの著作権は、すべて編集・発行元に帰属します。
本メルマガの内容の大部分または全部を無断転載、転送、再編集など行なうことはお控えください。

## 三井崇央の本

### 最新作：『和と大和』（三井崇央初の思想書、2026年10月21日）。ほかに『僕は何者なのか？』（日本人のルーツを求めて日本列島をフィールドワークした7年間の記録）、写真集『Where Was I? 僕はどこにいたのか？』

- [和と大和](https://www.amazon.co.jp/dp/B0HNQW4HQ8)（Kindle、2026/10/21）: 三井崇央初の思想書。「和」とは何か。魏の使者が聞いた「ワ」の音から、卑弥呼、十七条憲法、太子信仰、水戸、幕末、明治、戦後へ。和の変様の跡を辿り、多元の和を疎外した先に立ち現れる単一の「大和」（空気・同調圧力・忖度）を、山本七平『「空気」の研究』の先に位置付ける。
- [僕は何者なのか？](https://www.amazon.co.jp/dp/B0GTJ3WZKD)（Kindle、2026/03/23）: 自分のルーツは、両親ではなく祖父母を見ることで辿れる。1991年生まれの僕が、祖父母の故郷（石見の五十猛と温泉津、秋田の横手、瀬戸内の大三島）から津軽、岩木山、出雲、諏訪、宇佐へと、2019年から7年間日本列島のフィールドワークを行い、縄文・弥生・古墳の層に多元的な日本人の姿を探った記録。
- [Where Was I? 僕はどこにいたのか？](https://www.amazon.co.jp/dp/B0HM2WJVL1)（Kindle、2026/04/09）: まだ見ぬ未来への羅針盤。2019年から7年間、日本列島をフィールドワークして撮り続けた写真集。高千穂から始まった旅は、神武東征の道、北東北の紅葉と縄文、風土、海人族の海、出雲、そして津軽へと続き、やがて「僕はどこにいたのか？」という問いへ向かっていく。日本語と英語の二言語。
- [NO ONE DECIDED: Wa and the World's Most Orderly Society](https://www.amazon.com/dp/B0HNP81CR3)（English edition of 『和と大和』, Kindle, 2026/10/21）: Takahiro Mitsui's first book in English, the English edition of 和と大和 (Wa and Daiwa). No one decided, and yet it is decided; no one ordered it, and yet everyone obeys. Mitsui names what lies beneath Japan's order: wa (和), the invisible working that makes the "one" possible whenever people become one, and separates it from Daiwa, the "Great Wa".
- ほかの著書: https://www.amazon.co.jp/stores/author/B09P7R6Q25
